日別アーカイブ: 2012年4月15日

借地上の建物の賃借人

「突然、大家から地主との借地契約の期間が終了するので、建物から退去して欲しいと言われました。出て行かなければならないのでしょうか?」

借地上の建物の賃借人(住居人)は建物を利用すると同時に土地も利用していますが、土地の利用に付いては土地所有者と契約している訳ではなく、借地人の有する借地権に基づいて土地を利用しています。したがって、大家に対しては建物賃借上の権利を主張できますが、土地所有者には対抗する事ができません。土地所有者と大家(借地人)との借地契約が終了すると大家は建物を取り壊し、土地を明け渡す必要が生じます。建物が取り壊されれば建物の賃貸借契約が終了するため、住居人は建物から退去せざるを得なくなのです。
この事態を住居人からみると、借地契約の終了を知る事ができないので、いつ建物の明け渡しを求められるか分らないという不安定な立場におかれことになります。そこで、借地借家法は、住居人が借地権の存続期間満了を1年前までに知らなかったときは、裁判所に対し、明け渡しの猶予を求める事ができる事を規定しています(第35条)。

事例の場合、建物から退去する必要はあものの、法律上裁判所に1年を超えない範囲において、相当の期限を求める事ができる為、その旨を大家及び土地所有者に話し、猶予期間を相談すればいいということになります。

〜24.4.13 不動産協会ニュース〜