相続税逃れ防止の策

課税の公平性を保ち、過度な節税を防ぐため以下の2点が見直されます。

般社団法人の課税逃れ と 小規模宅地の特例を使った節税

 

 

般社団法人の課税逃れについて

社団法人を巡っては、相続・贈与する資産を持つ親が一般社団法人を設立し、理事に就任するなどして一族で社団法人を実質支配するケースがある。親は社団法人に資産を移転し、その後に子が理事を継げば、実質的に非課税で資産を継承できる仕組みになっている。この様に社団法人では親族間の資産継承で課税を逃れているケースが目立つため、非課税の対象を限定する。

社団法人の設立にかかる費用は登記料の6万円だけで、だれでも登記さえすれば設立が認められる。2016年の設立件数は6075件と5年で1.5倍に増えた。財務省は親族が代表を継いだ場合に非課税の対象から外すなどして節税の拡大を防ぐ。

 

小規模宅地の特例を使った節税について

親と子が別居していても子に持ち家がない場合などに特例として減税を受けられる、宅地の相続時にかかる評価額を8割減らす制度を使った節税策も防止する。

相続を受ける子が自らの建物だけを孫に贈与することで持ち家がないこととなり特例の適用を受けるケースが増えているからだ。

財務省は、子が相続時に住んでいた家がもともと子が所有していた家だった場合や、子が3親等以内の親族が所有する家に住んでいる場合などは対象外にすることなどを検討している。財務省によると特例の適用による減収見込み額を16年度で1350億円で3年で2倍近くに増えている。